親鸞と浄土真宗

しんらんとじょうどしんしゅう

浄土真宗は、親鸞聖人によって開かれた教えです。親鸞は、9才で得度したのち、20年にわたって比叡山で修行を積みます。が、迷いが晴れることなく下山。その後「どのような人であれ念仏ひとつで救われる」という法然の専修念仏の教えに触れ、入門し研鑽を重ねます。

そして親鸞は、念仏さえも阿弥陀仏のはたらきによるものであり、一切を仏にゆだね、救いはすべて仏の力によるという「絶対他力」の教えを説かれました。

「救われる」とは、「仏に成る」ということです。

自らの修行により、苦悩の根源である煩悩を離れ、皆を苦しみから救う仏と成ることができる人を、親鸞は「善人」と称しました。

しかし、人は常に煩悩の中に生きています。心にまといつき、心をかき乱す妄念や欲望が煩悩です。親鸞は、それら煩悩を断ち切れないこの私「悪人」こそ、仏の救いの目当てであると説かれたのです。

一切の人々を救うという、阿弥陀仏の願いを「他力本願」といいます。「他力」とは、自然や社会の恩恵、ましてや他人の力のことではなく、広大無辺な阿弥陀仏の力のことであり、「他力本願」は浄土真宗の教えの根幹をなすものなのです。

親鸞は弘長2年(1263)、90歳で没しますが、その教えは民衆に多く支えられ、さらに第8世蓮如の時代に大きく広まることになります。

なお、浄土真宗本願寺派の本山は、西本願寺(京都市)です。

親鸞聖人影像 安城御影副本

親鸞聖人影像 安城御影副本

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